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「あっ、えっ、あっ、あのっ――」
温和の発した言葉の意味が理解できなくて――いや、意味は理解できているけれど、頭に入ってこなくて、私は軽くパニックになる。
両手をソワソワ動かしながら、真っ赤になって温和を見上げたら、
「答えなくていい。元よりお前の答えは求めてない」
言って、温和が私の唇をもう一度塞いだ。
意味のない言葉を発している最中だった私は、容易に温和の舌の侵入を許してしまう。
「んっ、……」
そのことに驚いて、ギュッと身体を硬くして、慌てて温和を押し返そうと彼の胸元に両手を付いた私は、その瞬間、心臓が跳ね上がった。
温和、すごくドキドキしてる……。
私に？って思ったら、強張っていた身体から少し力が抜けていく気がした。
「音芽」
唇を離されたと同時に甘く掠れた声で名前を呼ばれて、心臓がどうにかなってしまいそうなぐらい暴れはじめてしまう。
私、大好きな彼にこんなにも求められている。
そう思ったら胸の奥がキュン、と疼いた。
私、温和となら……そういうこと……してもいいと思ってしまってる。
「温和……私……」
でも、どうしよう。
私、初めてで、温和にどう応えたらいいのかとか、全然……分からないの。
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