*繋がる心と……

33/42
前へ
/698ページ
次へ
 どうしたらこの恥ずかしさから逃れられるかを一生懸命考える。  そうして結局、出来ないことは出来ないって素直に言うしかない、って思ったの。 「……あ、あのね、温和(はるまさ)。スカート……し、下は……恥ずかしくて、自分では……無理……。ど、どうしてもって言うなら、温和(はるまさ)が……」  真っ赤になりながら一生懸命そう言ったら、温和(はるまさ)が小さく息を詰めたのが分かった。  彼の細められた視線を、ドキドキしながら眺める。 「――俺が、何?」  分かっているくせに。  思うけれど、それをちゃんと言葉にして言わないと、恐らく温和(はるまさ)は動いてくれない。  本当は自分で脱いだ方が、下着を濡らしてしまっていること、温和(はるまさ)に気づかれにくいって分かってる。  でも私、何故かそういうところも含めて、こんな浅ましい私を彼に受け入れて欲しい、って思ってしまったの。  承認欲求っていうの、かな?  よく分からないけれど……もしかしたら私、温和(はるまさ)にもっともっと(はずかし)めて欲しいのかもしれない。  異性とこういうことをするのは初めてのくせに、そんなことを思ってしまうのって……きっと凄くおかしいよね。  でも……何でだろう。  温和(はるまさ)を前にすると、私はそんな風になってしまうの。  そう思ったら、心の片隅で、……カナ(にい)との血の繋がりを、ふと実感してしまった。
/698ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3104人が本棚に入れています
本棚に追加