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私が一生懸命首を横に振るのを見て、温和がホッとしたように腕の力を緩めてくれる。
「は、温和……、ありがとう」
温和の顔を見つめた途端、思わずお礼の言葉が出てしまった。
私とのことをそんな風に真剣に考えてくれていて。
でも、だからこそ。
ちゃんと段階を踏んで周知していきたい。
特に子供たちには――。
そう思って温和を見つめたら
「今すぐどうこうする気はねぇから安心しろ。順序ってもんがあんだろ?」
どこか切なげな溜め息混じりにそう返してくれて、ホッとした。
当たり前だ。
温和の方が、私より思慮深いもの。
そういうの、考えていないわけがない。
安堵してふっと肩の力を抜いた私に「ただし」という温和の声が聞こえてきて、「え?」と思う。
「ただし、お前自身が俺の彼女だって自覚した行動を取ることが大前提だからな? フラフラ俺以外の男に付いていくような真似をしたら。そんときは俺、――タイミングとか一切待たずに公表するから」
温和の真剣な表情に、私は射抜かれたように動きを止めた。
でも温和、同じことを私もアナタに言いたいって言ったら、どうする?
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