真相が知りたい

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*** 「あ、あのっ。逢地(おおち)先生、ほ、放課後っ、保健室に伺ってもよろしいですか? ……少しお聞きしたいことが……」  2人の会話が途切れたタイミングを見計らって、私は思い切って言ってみた。  逢地(おおち)先生は一瞬きょとんと驚いたお顔をなさったけれど、鶴見(つるみ)先生の席をチラリと見てから、どこか得心した風に「お待ちしています」とおっしゃった。  今の流れで話を聞きたいとか言ってしまったから、鶴見先生の容態のこと、と思われたのかもしれない。  もちろん鶴見先生のこと、気にならないわけではなかったけれど、私が聞きたい本題は別のことで……。  怪我人そっちのけで温和(はるまさ)逢地(おおち)先生のことが気になってしまったことを自分本位だと思ってしまった。  温和(はるまさ)は私が逢地(おおち)先生に打診してるのを見ても何も言ってくれないし……気にするなって言うほうが無理だよ。  逢地(おおち)先生、さっき温和(はるまさ)の方見て紅潮してらしたし……。  鶴見先生、ごめんなさいっ。  ちゃんと、貴方のお話も聞こうと思いますし、温和(はるまさ)から了承が得られたら、一緒にお見舞いにも行きます。
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