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『で、告白はどっちから?』
まるで言葉に詰まった私を救い出すように、佳乃花が話題を変えてくれる。
「告白……。私……かなぁ。……あ、でも温和かも……」
『なに、その曖昧な感じ』
鈴を転がすように笑って、『でも、そういうのも含めて音芽と霧島先輩っぽい』って言われた。
「でね、佳乃花。私、佳乃花と一路に聞いてもらいたいこととか……聞いてみたいこととか……色々あるの」
温和が来てしまう前に、佳乃花たちとの飲み会の算段をしてしまわないと。
そう思った私は、タイミングを見計らうようにして話題を切り替えた。
『あー、それ! 私も思ってた! しようしようって言ってしてなかったもんね』
強引だったかな?って思ったけれど、佳乃花がすぐに乗ってきてくれてホッとする。
「この週末とか……どうかな? えっと……金曜の夜」
言うと、
『分かった。一応仕事魔の一路にも確認とってみるね。最悪一路は、いなくてもいいかな?』
そう言った佳乃花の表情は見えないけれど、何となく電話の向こうでふわっと笑ったのが見えた気がした。
私はそんな佳乃花に「んー」と答えながら、「でも遅くなっても構わないから来て欲しいって一路に伝えてもらえると嬉しいかも?」と粘る。
『えー何それぇー。私だけじゃ不満なのぉ〜?』
冗談めかして言いながら、佳乃花がコロコロ笑う。
そんなんじゃないって言うの、分かってて言ってるときの雰囲気。
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