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「お前は……俺が同級生と飲むって言って……メンバーに女が混ざってても気にしないんだな?」
握った手を逆に掴まれて温和に間近でそう聞かれてしまう。
そこでふと、私は温和に佳乃花と一路が恋人同士だと言うのを忘れていたことに気がついた。
「あっ、あのねっ温和っ。けど……一路は佳乃花一筋だから……だから私のことなんて眼中にないと思うし……。私も……っ」
そこまで言って温和をじっと見上げてから
「それに私も! 温和以外には……。その……絶対にときめかないって断言できる、から……だから……大丈夫だよ?」
私の言葉に温和がピクッと反応したのが分かった。
「今の言葉、嘘じゃねぇな?」
聞かれて、私は胸を張って「当たり前だよ!」って答える。
そうしてから、「温和は……違うの?」ってとどめのように聞いたの。
温和は一瞬大きく瞳を見開いてから、「……そんなん言わなくても分かれよ、バカ音芽」って吐き捨てた。
「私、週末、佳乃花たちとお出かけしても、いい?」
もう一度そう問いかけたら、温和は少し考えてから「飲み会は……まぁ好きにすればいい」って言ってくれた。
その言葉に「ありがとう!」って言ってから、言われた言葉に少し含みがあるのに気がついて、温和をじっと見上げた。
「……けど――夜遅くに出かけるのは、認めない」
って、温和っ。それ、どういう……意味!?
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