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一生懸命足にギュッと力を込めながら抗議してみるけれど、そんなの意味がないの、私が一番よく知ってる。
だって心と裏腹に、私が温和にもっともっと触れて欲しくてたまらないの、きっと彼は知っているから。
「音芽、気持ちいい? お前のここ、すっげぇ濡れてきてる」
温和はわざと私が恥ずかしく思うような言葉を告げては、私を追い詰める様にして高揚させる。
私はその度に「イヤ」って言いながら、実際にはさらにその先の刺激を期待していたりして。
「下着、気持ち悪いだろ」
そう言われて、躊躇いがちにコクンとうなずくと、私は温和に「少し離して欲しい」ってお願いした。「なんで?」って聞いてきた温和に、「下着……」ってつぶやいたら、脱ぎたいから、という意図がちゃんと伝わって離してくれて。
少し考えて、私は彼から一旦離れてベッドから死角になる位置まで移動して下着を脱いだ。
それをギュッと握ったままどこに隠せばいいんだろう、って戸惑う。
リビングの方はまだ散らかったままだし、このまま脱衣所まで移動するのはさすがにおかしいし。
そんなことを考えて動きを止めた私に、
「別に隠れなくてもいいのに」
って温和が笑って、でもそんなところも可愛くて大好きだよって言ってくれるの。
温和、いつもそんな風に言ってくれたらいいのに。
ふとそう思って、すぐさまその考えを打ち消した。
温和は……やっぱり今のままがいい。
ちょっぴりひねくれてて素直じゃなくて……でも時折こんな風に真正面から私を求めてくれて。
なんて色んな顔を持った、最高の彼氏なんだろうって思うの。
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