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ベッドのすぐそば――。
胸と秘部を手で隠して一糸纏わぬ姿で所在なく立ち尽くす私のすぐそばに、温和が立つ。
下着はさっき温和に指示されたように、畳んだ服の下に隠して床にまとめてある。
「おいで」
温和に手を引かれて抱き寄せられた私は、そのままベッドにそっと横たえられた。
「あ、あの……っ」
恥ずかしさに黙っていることが出来なくて何か喋ろうとしたら、「無理に話さなくていいんだぞ?」って言われてしまった。
彼はいつだって私のことは何でもお見通しなんだって思ったら、急に恥ずかしくなって。
「あ、あのね……でもね……」
それでもやっぱり黙っていられなくて、そわそわと口を開いてしまう私に、温和が苦笑する。
自らもさっさと服を脱ぎ捨てると、下だけはいた状態で私に覆い被さってくるの。
「ホント、よく喋る口だな……」
含み笑いを浮かべてそう言われて、言葉ごと封じるように口付けられる。
「んっ、……ぁ、は、るま、さ、……」
口付けられるたびに熱い吐息がふたりの間を繋ぐようで、その熱を逃がしたくなくて温和の唇を追いかける。
「そんながっつかなくても逃げたりしねぇよ」
ついに小さく笑いながら温和にそう言われてしまうほどに、私は彼の唇を逃したくないと思ってしまっていたみたい。
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