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「痛くはねぇけど……さすがに焦らされ過ぎて限界だな」
言って、私の腰をグッと抱えると、今度こそ深く深く繋がるように腰を引き寄せられた。
「ひぁっ、ぁ……んっ!」
ちゅぷっ、という濡れた水音を立てて、私は一瞬で息が止まるかと思うような圧迫感に襲われる。
「音芽、やっとお前の奥まで挿入れた……」
ギュッと抱きしめられて耳元でそうささやかれて、私は彼にしがみ付きながら一生懸命うなずく。
お腹の奥の奥、指を入れられても届かないようなところに、温和が達している。
ギュッとつぶった目の端に、涙がじんわり滲んで目元を濡らした。
「はぁ、ん、……苦し……、っのっ」
正常位で彼を受け入れたときには感じたことがないほどに、内臓が押し上げられている。それが怖くてたまらない。
「音芽、だったら自分で苦しくないように腰、動かしてみろよ」
温和にそうそそのかされて、私は「え?」と思う。
自分で……苦しくないように?
下肢にふと視線を落とすと、私は温和にまたがるように膝立ちの姿勢のままだった。
この体勢ならば、確かに自分の意思で腰を引くことが出来るんだって気付かされて。
「俺はもう何もしねぇから。――な?」
言われて唇を優しくついばまれて、私は温和にギュッとしがみ付いたまま、恐る恐る腰を引いた。
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