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「あっ、……はぁ、んっ」
私の動きに合わせるように、肉ひだをこすりながら、温和が私の中からほんの少し遠ざかる。
これ以上腰を上げてしまったら、温和が自分の中から居なくなってしまうかもって思ったら、それは嫌だと感じてしまって、そこで腰を止める。
それから躊躇いがちにもう一度彼の上に腰を落としたら、今温和に追いすがった内壁がキュン、と疼くように彼を締め付けたのが分かった。
「い、あ……やんっ」
その感触がやけに生々しく、そして同時に恥ずかしいくらい気持ちよくて。
ギュッと温和に抱きついてうつむきがちに顔を隠したら、
「音芽、自分で動くの、気持ちいいな?」
温和が私の頬にかかる髪の毛を耳に掛けて表情が見えるようにして、そう問いかけてくる。
「分か、んなっ」
本当は気持ちいいと自分でも分かっているくせに、恥ずかしくて素直になれなくて、分からないと嘘をついてしまった。
でもきっと温和は全てお見通しで。
「そっか、分かんねぇか」
クスッと笑うように小さくつぶやくと、「じゃあ、俺が好きなように動いたんで構わねぇよな?」って私を抱きしめてから、ズルリ、と自身を引き抜いてしまった。
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