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「なぁ音芽。１ヶ月もかかるとなったらさぁ、その間お前に首輪、付けらんねぇの、俺的にはすげぇ不満なんだけど」
とか言い出す始末。
っていうか温和さん、指輪が首輪になってますっ！
「し、仕方ないよ……。そのくらい掛かるの普通だって」
温和が何を言い出すのか何となく見当がついた私は、ドキドキしながらそう返す。
「すみません。ペアリングとかで俺たちのサイズですぐ持ち帰れるのってあります？」
温和が結婚指輪の対応をしてくださった店員さんに、そんなことを言い出して、私は「あああ、やっぱり！」と思ってしまった。
「温和っ、そんなのいらない。もったいないでしょ！？」
１ヶ月待てば今注文したの、くるのよ？
そんなに焦らなくても大丈夫よ？
一生懸命言い募るけれど、温和はなかなか首を縦に振らなくて。
「そんなんじゃ、結婚してもお家のお金、温和には任せられないじゃないっ」
私は温和にあれもこれも管理されたい。縛られたい。
だけどこの調子では家計だけは彼には握らせること、出来そうにない。
２人きりならまだしも、子供ができたりしたらって考えたら尚更。
そんな気持ちを込めて、脅しのつもりで言ったのに――。
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