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行きがけに2人でうちの両親も温和の両親もお気に入りの洋菓子店に立ち寄って、焼き菓子の詰め合わせを2セット買った。
どうせみんなでシェアするのが分かってるから、中身はあえて別々のを選んだ。
幼い頃からどちらの家も我が家みたいに出入りしていた私たちだけど、一応セオリー通りにって話になったの。
先に音芽の実家から行くって話してあるから、って温和に言われて、私たちは鳥飼家の方のインターホンを鳴らした。
チャイムが鳴って、扉が開くまでの間、物凄く緊張してたのに。
「おぉ! よくぞ帰った! 我が妹よぉーっ!」
ドアが開くと同時にカナ兄に劇団員顔負けのオーバーリアクションでムギューッと抱きしめられて、髪の毛をもみくちゃにされた。
もぉー、髪、ぐちゃぐちゃになっちゃったじゃない!
思いながらカナ兄を睨んだけれど、どこ吹く風で。
手櫛で一生懸命髪を整える私を横目に、
「ハルもよく来たな。みんな朝からソワソワしまくりで待ってるぞ。入れ入れ」
って急かしてきて。
その言葉にふと玄関を見ると、うちの家族だけにしてはやけに靴の数が多い気が――。
温和もそれに気づいたみたいで、はぁっと小さく溜め息をついた。
カナ兄に背中を押されるようにしてリビングに入ったら、途端パン! パン! パン!という小さな炸裂音。
次いで頭に紙製のリボンが降り注いで垂れ下がった。
微妙に火薬の香りに包まれた我が家のリビングには、うちの両親の他に温和のご両親の姿もあって。
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