お見舞い

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 指輪が仕上がって割とすぐ、職場の先生方への婚約報告も済ませた。  というのも――。  もちろん、管理職には先んじて伝えていたけれど、先日、朝の職員会議でほんの少しお時間を取っていただいてしまったから。  これ、温和(はるまさ)が校長に打診してのことだったんだけど、私自身はそんなすぐにみんなに言っちゃうって思っていなかったので、不必要にドキドキしてしまって。  もちろん指輪が出来たら……って話になっていたのは確かだし、近いうちには……と思ってはいたけれど、入籍にもお式にもまだ間があるのでもう少しのんびりかな?って、勝手に思っていたの。  何事に関してもせっかちな温和(はるまさ)が相手だというのを失念していた私が悪いんだけど……どんどん外堀を固められてるように思うのは、気のせいでしょうか? ***    結婚指輪の完成を待ったくせに、とりあえず入籍までは私のほうだけ例のクローバーリングをしようってことになったの。  その方が婚約期間って感じがしていいなって私が勝手に思ってしまっただけなんだけど。  温和(はるまさ)からは、婚約指輪も兼ねてお前のほうはエターナルリング(石が多めのデザイン)を選んだんだし、別に結婚(新しい)指輪のほうでもいいんだぞ?って再三言われたんだけど、折角買ってもらったクローバーリングをそのままリングケースの肥やしにするのは嫌で。  そう言ったら「だったら少し待て」って、(くだん)の指輪、どこかへ持って行かれてしまった。
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