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さっきの今で、温和相手にこんな軽口が叩ける鶴見先生のメンタルは、やはり私には理解不能で……どこか不気味にすら思えて。
でも温和はそんな鶴見先生の言に何の戸惑いもなく乗るの。
ある意味温和も海千山千の強者かもって思った。
「俺の音芽に2度と言い寄らないでくださいねって話だったんじゃなかったですかね?」
恥ずかしいことを平気で言い合う男性陣に、なっちゃんと顔を見合わせて眉根を寄せる。
そうして堪え切れなくなって、2人で笑い合ってから、「私たちも恋人を取らないでねって言い合いしなきゃダメですかね?」って私が言ったら「あー、オトちゃんが大我さんにそういうことしたら私、恨んじゃう!」って返してくれて。
そんなことありっこないのにね、って笑って、コーヒーを飲んで。
ん、苦いっ!
そういえば私、コーヒーはミルクたっぷりじゃないと飲めなかった。
そう思ったけど、楽しそうなみんなの様子を見ていたら、いつもは飲めないはずのブラックコーヒーが不思議とそこそこ飲めて――。
アイスコーヒーだったのも、氷で薄まるのと、冷たさで舌が麻痺するから良かったのかも知れない。
***
いち早くコーヒーを飲み終えた温和が、「そういえば……俺たち、来年の夏に式を挙げようと思っています。おふたりとも是非いらしてくださいね」と言って。
私は思わずコーヒーを吹き出しそうになってしまった。
え!?
まだ何も煮詰めてないのに、それ、決定事項だったの!?
温和ぁーーーー!
何だか知らないうちに外堀をどんどん固められているように感じるのは……気のせいでしょうか?
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