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挙式を終えて、二次会を奏芽が手配してくれたイタリアンレストランで済ませた私たちは、その足で市役所へ入籍の手続きに行って――。
結婚記念日と入籍記念日をズラしたら、どっちでお祝いしたらいいか分からなくなりそう！って私が言ったから……なんだけど、温和は３月２日を入籍日に出来なくてがっかりしたみたい。
式の打ち合わせに追われている最中、年度末で忙しさがピークの２月下旬あたりから、温和がしきりに「入籍だけ先に済ませようぜ」ってソワソワし始めて……。
私は「何で？」って問いかけた。
そうしたら「俺、お前の誕生日に籍を入れたいんだよ」って怒ったみたいに言うの。
「何で３月２日？ 新学期が始まって少し落ち着いた頃――。例えばあなたの誕生日の５月10日じゃダメ？」
年度末の忙しい時でなくてもいいじゃないって思いながら、言い募ったら、「俺の誕生日じゃ意味がない」って言われた。
ちなみに５月10日は温和だけじゃなくて、お兄ちゃんの誕生日でもあります。
だから嫌なのかしら？
「意味がない？」
そう思いながら、なんで意味がないとまで言い切るんだろう？ってキョトンとしたら、「俺とお前が初めて出会った日なんだよ、お前の誕生日は」って、嘘……。
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