■呼び出し!? Another side/オマケ的SS②-2

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和音(かずね)。ママね、迷子センターの場所だけはバッチリ分かるわ!」  任せといて!と胸を張ったら「ママ、かっこいい!」って和音(かずね)が手をパチパチ叩いてくれて。  私は娘に元気付けられて、よし、大丈夫!って思えたの。 「行こう?」  この()におよんで、和音(かずね)とまではぐれてしまったら大変だ。  私は娘の手をしっかり握ると、2人で人混みを掻い潜るようにして歩き出した。  目指すはB館1階迷子センターよ。 ***  目的地に着くとすぐ、和音(かずね)が「迷子なのっ!」と係のお姉さんに食いつき気味に言って。  そこでふと和音(かずね)の言葉の危うさに気付いて、「あ、和音(かずね)、迷子じゃなくて……」って言おうとしたら、「迷子じゃないの?」って不安そうな顔で見つめ返されてしまった。  途端、私は和音(かずね)の自尊心を傷付けられない、って思ってしまって。  ごめんね、温和(はるまさ)っ。  しばし後、館内へと流された放送を聞いて、私は背筋がゾクッとしたの。 「お知らせです。○○市からお越しの霧島(きりしま)温和(はるまさ)さん、お連れ様がお待ちです、至急B館1階迷子センターまでお越しください」  あーん。これ、あとで絶対温和(はるまさ)に怒られるやつ!  でもでも温和(はるまさ)だって悪いのよ。  私たちを置いてどこかに行ってしまったんだもの。  そこを責めたらきっと、お(とが)めも半減するよね?  そう思いながら、私はソワソワしながら和音(かずね)と並んで温和(はるまさ)を待った。 ***  結局、全面的に悪かったのは私で、夜に彼からたっぷりとお仕置きをされてしまう羽目になってしまうということを、その時の私はまだ知らないの――。       END(2020/08/29)
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