■路地裏のいけない2人/オマケ的SS④

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 背の低い音芽(おとめ)を、20センチばかり上から見下ろす形になっている俺には、音芽が胸元を引っ張るたびにチラチラと下着が見えていたりする。 (あんま(あお)んなよ……)  とか思いながらも、眼福なので「見えてるぞ」とか無粋なことは絶対言わない。  他の男に見られるかも知れないってんなら話は別だが、幸い路地裏のこの道はひっそりと静まり返っていて、俺と音芽しかいないんだ。  この近くにホテルとかなかったっけ?とか思う程度には、俺はまだまだ“現役”だから、この音芽の無意識の挑発、本当そそられるんだよな。  奏芽(かなめ)から与えられた2人きりで過ごせるデートの日だけど、それが子供を気にせず音芽(おまえ)を求める日になったって別に構わねぇよな?って言ったら、音芽はどんな反応をするんだろう。 ***  今日は選んだコース料理に焼きたてパンがおかわり自由で付随するベーカリーレストランで、音芽と一緒に昼食を摂った。  音芽は彼女の握り拳ぐらいしかない小さなパンが焼き上がるたび、次はどれにしようかと瞳を輝かせて――。それが控えめに言ってもすっげぇ可愛くて、俺的にはパンよりお前を食いたいわ、って感じだったんだよな。  思えば今日はずっと俺、音芽に誘惑されっぱなしじゃん。  よくここまで理性、保ててると思うわ。  俺、偉くね?
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