■寝てください/オマケ的SS⑥

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 大好きな温和(はるまさ)と結婚して、1ヶ月が過ぎようかと言う頃。  家を建てるまでの暫定措置で、温和(はるまさ)は私が住んでいた側の部屋に移り住んできています。  9月に入って秋の気配が少しずつ忍び寄ってくるようになった、そんな夕暮れ時。  そろそろ夕飯の支度をしないと、っていう頃になって、ソファに並んでテレビを見ていた温和(はるまさ)が、小さくあくびを漏らした。 「眠いの?」  翌日が休日だと思ったからかな。  温和(はるまさ)は昨夜、なかなか眠ってくれなくて。  それはイコールで私も眠れなかったという意味になるのだけれど、恥ずかしいので今は思い出さないようにしなくちゃ。  そう思って無意識にふいっと温和(はるまさ)から視線を逸らしたら、「なぁ音芽(おとめ)。お前いま、なに考えた?」って、私の方に頭をもたれかけるようにして、彼が聞いてくるの。 「な、何もっ」  ふるふると首を振りながら言ったら、「俺の奥さんは嘘つきですね」ってニヤリとされた。 「は、温和(はるまさ)っ。ばっ、バカなこと言ってないで、眠いんなら寝てっ」  そこまでで止めておけばよかったのに――。 「昨夜いつまでも寝ないからこんな時間に眠くなるんだよっ?」  照れ隠しで余計な一言を付け加えてしまって、私の肩口に額を寄せていた温和(はるまさ)に、クスクス笑われてしまった。 「あー、エッチな音芽さんは昨夜のあーんなことやこーんなことを思い出してたわけか」  ちっ、違いますっ!って慌てて否定したけれど、自分でも耳までぶわりと熱を持ったのが分かって、無駄な足掻きだって思ったの。 「ホント、お前は素直じゃねぇよなぁ」  温和(はるまさ)にだけは言われたくありません!  そう思ったけれど、反撃が怖くて口籠(くちごも)る。
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