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見つめられる恥ずかしさに顔を覆い隠したら、今度はその手を手首から肘に沿ってツツーッと撫でながら、私からは見えにくい肘の尖ったところをチョンチョンとつつきながら言うの。
「知ってるか、音芽。お前のここ、ほくろがあるんだぜ?」
とか。
もぉもぉもぉ!
「わ、私のことなんて見なくていいから早く寝てくださいっ!」
あまりに恥ずかしくて真っ赤になりながらそう抗議したら、「なぁ音芽。ベッドに移動して一緒に寝ない?」って。
絶対それ……眠る気ないやつだよね?
「ゆ、夕飯食べるの、遅くなっちゃうよ?」
せめてもの抵抗で言ってみたら、「明日も休みだし……問題ねぇだろ?」って。
そして私も、それに頷いてしまうとかっ。
今夜もふたり、寝不足の予感です。
END(2020/09/15)
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