■早く食べ終わって?/オマケ的SS⑦

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*** 「もぉ! 食べるにしてもせめてちゃんと座ってから!」  追い立てるようにリビングに温和(はるまさ)を追いやると、ソファに並んで座って透明な袋を開ける。 「(あっつ)……」  温和(はるまさ)がつぶやいて、アイスをくわえたまま扇風機のスイッチを入れた。 「温和(はるまさ)、お行儀悪い!」  言ったら、「音芽(おとめ)さん、まるで学校の先生みたいですよ」って笑うの。  いや、私もあなたも先生じゃん!  思ったけど、確信犯だろうし、と思ってあえてスルー。  なのに、「わー、今日の音芽、やけに塩対応っ」とか。  だって私、夕飯作りさせてもらえてないし、結構ソワソワしてるのよ?  それに……何より――。  酸味のあるアイスを一口かじりながら、温和(はるまさ)をチラッと窺い見たら、「あー、ごめんって。次はお前の好きなアーモンドチョコのやつ買っていいから。……な?」って。  温和(はるまさ)め。分かってて自分の好きな方を優先したのね?    思ったら、何だか急におかしくなった。 「温和(はるまさ)、ホント子供みたい」  2つ年上で、お兄ちゃんみたいな頼れる存在。  それが、私がずっと温和(はるまさ)に対して抱いていた評価だったんだけどな。  一緒に暮らすようになって、案外彼は子供っぽいところがある可愛らしい人だ、と気付かされた。 「そういうの、嫌い?」  気が付けば、いつの間にかアイスを食べ終わっている温和(はるまさ)に、ウソォ!って思う。 「な、音芽。答えろよ」
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