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9月も半ばを過ぎると朝晩グッと冷え込む日が増えてくる。
夏に挙式と入籍を済ませて、晴れて夫婦になった温和と音芽だったけれど、新居が建つまでの間、2人は狭いアパートに借り住まい状態で。
1ルームアパートではないとはいえ、本来一人暮らしに毛が生えた程度の広さしかない部屋では、ベッドだって大きなものを置くことは出来なかった。
結果、苦肉の策。
今は音芽が使っていたベッドも撤去して、元々寝室として使っていた奥の洋間の床に2組の布団を2つくっ付けるようにして並べて寝ている。これが、音芽には結構堪えるのだ。
マットレスなどで底上げしているならまだしも、床板の上に直に敷布団というのは床からの冷気を拾うものらしい。
***
「俺も手伝うよ」と言ってくれた温和を押し留めて、
「今日は夕飯の支度、温和がしてくれたんだもん。片付けぐらい私にさせて? 疲れてるだろうし先に布団に入ってていいよ?」
そう言って食器洗いなどを買って出た音芽だったのだけれど。
キッチンに立って洗い物をしていたら、せっかくお風呂上がりでほこほこと温まっていた身体が段々冷えてきてしまった。
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