■だってあったかいんだもん/オマケ的SS⑧

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 気が付いたら、温和(はるまさ)の背中にそっと触れてしまっていて、音芽(おとめ)は自分の無意識の行動にドキッとする。 (わ、私ったら何してるのっ)  疲れて眠っている温和(はるまさ)を起こしてしまいかねない愚行に、慌てて手を引っ込める。  と、その手をいきなりギュッと掴まれた。 「ひゃっ」  びっくりして思わず悲鳴を上げてしまってから、音芽は慌てて握られていない方の手で口を覆う。 「手ぇ、冷え切ってんじゃねぇか」  音芽の小さな手を両手でギュッと挟み込むようにしながら、温和(はるまさ)が寝返りをうつ要領で音芽の方を向いた。  すぐ間近、いきなり温和(はるまさ)と向かい合う格好になってしまった音芽はドギマギしてしまう。 「ほら、グズグズしてねぇでそっちの手も貸せ」  言われてどうしようと戸惑っていたら、口を塞いだまま止まっていた手も、温和(はるまさ)にさらわれてしまう。  「あ、あの、でもっ」と慌てて手を引こうとした音芽だったけれど、温和(はるまさ)はそれを許してくれなくて。
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