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温和は基本的には私より早起きさんです。
でもたまに仕事が忙しくて夜遅くまで眠れなかった日なんかは、起きて来られないときがあるの。
そんな日は、彼が遅刻しないように起こしてあげるのも、妻である私の大切な務めです。
***
「温和、おはよう? そろそろ起きないと遅刻しちゃうよ?」
温和より先に目覚めて、朝食の準備などを全て整えてみたけれど、珍しく未だ起きてこない温和が心配で、寝室のベッド横に立った。
温和の寝顔、ホントかっこいい。
こんな素敵な人が私の夫だなんて、未だに信じられないよ。
「ね、温和。朝だよ? 起きて?」
半ば照れながら、彼の上に屈みこむようにしてそっと肩を揺すったら……。
「ひゃっ」
いきなりグイッとその手を引かれて、私は温和の上に倒れこみそうになる。
咄嗟にお腹を庇うようにして両手をついたら、期せずして温和を上から押さえつけるみたいな格好になってしまった。
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