■早く寝てくんねぇかな?/オマケ的SS⑩

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「は、温和(はるまさ)……。あのね」  と、音芽(おとめ)が俺の予想に反してギュッと俺にしがみついてきて。  耳元で消え入りそうな声でささやいてくるんだ。 「私の……髪、短くなったから……温和(はるまさ)、ベッドに広がる私の髪に気を遣わなくてもよくなった、よね?」 「――っ!」  まさか気付かれていたとは。  俺が音芽の顔付近に手をつく時、彼女の髪を押さえつけないように気をつけていたこと。 「髪、短い方が……温和(はるまさ)も……その、しゅ、集中……できる、でしょ?」  そう言って俺を見上げた音芽の表情は、紛れもなく〝女〟のそれで。  ちょっとからかうだけのつもりだったけど、そんな面貌(かお)されたら無理だわ。  なぁ音芽。  今夜が楽しみだな?  ――和音(かずね)、早く寝てくんねぇかな?     END(2020/12/03)
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