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「う、れしい?」
きっと顔は見えないけれど、着ぐるみん中で上目遣いをして俺を見てるんだろうな。
「あんな、音芽。朝日さんが言ったのってきっと、ミニスカのサンタコスとか……そういうのだと思うぞ?」
言いながら角に手をかけてスポッと抜く。
と、中からちょっぴり汗ばんだ可愛い音芽が顔を出した。
ほんのり蒸気した頬を見ていたら、暖房の効いた部屋で、こいつはいつからこんな格好で俺を待ち構えていたんだろう?と、言いようのない愛しさが込み上げる。
後ろ手に玄関ドアのロックを掛けると、着ぐるみに包まれた音芽の手を引っ張ってリビングを抜けた。
テーブルの上にはローストチキンやミートローフ、サラダなんかが並べられていて。
音芽、俺のために頑張ってくれたんだなと嬉しくなる。
けど、すまん。あっちのご馳走はちょっと後回しだ。
先にこっちの可愛いのを食っちまわぇと。
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