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4.Play with dolls*
あのあと寝室に音芽を連れ込んだ温和は、ベッドに音芽を座らせて、ドレスと一緒に準備していたネックレスとイヤリングを付けてやる。
そうしながら、音芽に噛んで含めるように言い聞かせたのだ。
「音芽、今日はな、お人形さんごっこをしよう。――今からお前は〝人形〟な?」
「えっ?」
不安に揺れる瞳で温和を見つめ返す音芽の唇に人差し指をあてがって黙らせると、温和が言う。
「人形は口、きけねぇし、動いたりしねぇから。――分かるな?」
言って、音芽の首筋に濡れた舌を這わせる。
「や、ぁ、……んっ」
予期せぬ出来事に、ゾクリと身体を震わせた音芽を、すかさず温和が名を呼んでたしなめた。
「音芽」
人形なのだから、声を出したり動いたりしてはいけないのだと、温和から目で訴えられて、音芽は戸惑いに身体を震わせる。
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