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「続けても……いいんだな?」
温和が問い掛ける声に、人形の音芽は何の反応も返してこない。
でも、温和にとっては、それこそが音芽からの「許し」に他ならなくて。
音芽が反応できないのを知っていて、温和は敢えて彼女が望んでいた言葉をここぞとばかりに浴びせかける。
「音芽、大好きだ。愛してる。誰にも渡したくねぇ。ずっと俺のそばにいろ」
言いながら剥き出しにしたばかりの、音芽の可愛い胸の、色付きの先端にチュッと口付ける。
柔らかな乳房を口に含んで、固く凝ったそこを舌先で優しく転がせば、動けないはずの音芽がブワリと肌を赤く染めて、匂い立つような女の色香を漂わせて。
ドレープとフリルがふんだんにあしらわれた長い裾をたくし上げたなら、きっとその先はしとどに濡れて甘い蜜を溢れさせているはずだ。
そこに深く指を沈めたら、この愛らしい人形はどんな反応をするのだろう?
このまま続けていったとして、音芽はいつまで人形を演じ続けられるだろうか?
考えただけで、温和はおのれの分身が、堪らなく昂ってくるのを感じずにはいられなかった。
たまにはこんな馬鹿げた趣向も悪くない。
温和は、懸命に羞恥と快楽に耐える音芽を瞳に焼き付けながら、そんな風に思った。
END(2021/02/28-2021/03/11)
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