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今度は俺の方が溜め息混じりに、「頼むから音芽のこと、大事にしてやってくれよ?」と告げる番で。
それに対して温和が何の迷いもなく『ったりめぇだろ、バカ』と即答してきやがった。
まぁ俺もハルが音芽のことを大事にしないはずがねぇのはよく分かっていたし、だからこそずっと離さずにきた妹の手を離したんだ。
さて、音芽はちゃんと〝お兄ちゃん〟の言ったことを信じて病院に行くだろうか。
ふとそんなことを思ってから、ああ、今のアイツには温和がついてるんだから大丈夫か、と1人苦笑する。
俺にもハルみたいに一生添い遂げたいと思える相手が出来たなら、こんなに妹のことを気にしなくても良くなんのかな。
そんな風に思ったけれど、それはまだ当分先。数年後の話。
END(2021/05/15)
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