■くだらねぇこと気にすんな/200万ページビュー達成のお礼♥

5/7
前へ
/698ページ
次へ
「ふ、……ぁっ」  やっと温和(はるまさ)の執拗なまでの責めから解放されて、音芽(おとめ)は肩で(あえ)ぐように息をして。  そのまま温和(はるまさ)にもたれ掛かるように抱き止められたまま、呼吸を整えていたけれど、ポンッと軽い電子音とともに扉が開いて、思わずビクッと身体を跳ねさせた。  幸い最上階(目的の階)に着いただけで、人が乗ってくることはなかったのだけれど、もしかしたら扉が開いた先で誰かがエレベーター待ちをしていたかもしれないのだ。  ――もうっ、温和(はるまさ)ったら何でこんなっ!  エレベーター内での濃厚なキスを思い出して、ぶわりと頬に熱が昇った音芽は、箱を降りるなり思わず立ち止まってしまう。 「何思い出したの、音芽ちゃん。エッロい顔……」  立ち尽くしてしまった音芽のすぐ耳元で。  温和(はるまさ)が吐息を吹き込むみたいに意地悪くささやいてきて、音芽は耳を押さえてキッと温和(はるまさ)を睨みつけた。 「温和(はるまさ)の……、バカっ」 「人、いなかったんだから問題ねぇだろ」  そう言われてもそんなのは結果論。羞恥心(しゅうちしん)が拭い切れない音芽は納得がいかないらしい。  ぷぅっと頬を膨らませたまま温和(はるまさ)の方を見ようとしなかった。
/698ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3101人が本棚に入れています
本棚に追加