■くだらねぇこと気にすんな/200万ページビュー達成のお礼♥

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「なぁ音芽(おとめ)、せっかく来たんだし景色堪能しようぜ」  音芽の膨れっ(つら)なんてどこ吹く風。  温和(はるまさ)はさして意に介した風もなく音芽の手を取ると、ぐいぐい引っ張って木道(ボードウォーク)の上を歩き出す。  ややして、端っこの(さく)のところまでたどり着くと、温和(はるまさ)は音芽と向かい合わせに立った。 「なぁ音芽。こっち向けよ」  言って音芽の視線を自分に向けさせると、声を低めて問いかける。 「お前の全ては俺のものだろ?」  真正面からじっと射すくめるように見つめられて、音芽はソワソワと瞳を揺らせた。 「返事は?」  うなずくことを強要するように畳みかけられて、温和(はるまさ)からの命令には絶対服従が染み付いている音芽は小さく首肯する。 「音芽、ちゃんと声に出して聞かせろ」  なのに温和(はるまさ)はそれだけでは納得がいかないとばかりに、音芽をさらに追い詰める。 「……はい。私は……温和(はるまさ)のものです」   消え入りそうな声でそうつぶやいたら、 「だったらくだらねぇこと気にすんな。お前は黙って俺に(おぼ)れてりゃいいんだよ」  言うなり噛み付くような口付けを落とされる。  エレベーターの時と違って、周りに遮蔽物(しゃへいぶつ)のない開けた場所。  もしも誰かが来たならば、今度こそ簡単に見られてしまう。  ねっとりと口の中をかき混ぜられるようなキスをされながら、音芽は涙目で懸命に温和(はるまさ)にしがみついた。  ややして唇を解いてくれた温和(はるまさ)が満足そうに微笑んで、「帰るぞ。和音(かずね)が待ってる」と、音芽の唇を濡らす唾液を指先で軽く拭う。  その感触でさえも、音芽にはたまらない刺激になると温和(はるまさ)は知っているんだろうか?
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