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「音芽、口開けろ」
音芽の身体をシートに押さえつけるようにしてそう言ったら、彼女が躊躇いがちに小さく口を開く。
その従順さが可愛くて
「いい子」
思わず子供の頃にしていたみたいに音芽の頭をそっと撫でると、そのままもう一度唇を塞ぐ。
「はぁ、……ん、っ」
なんでキスだけでそんなエロい声が出せるんだよ、お前。
ヤバイな。このままじゃここで最後までしたくなっちまう。
音芽と舌を擦り合わせるたびにチュクッと濡れた水音がして、外の雨音をかき消すように俺の耳を占拠する。
その音に誘われるように音芽の胸をくすぐると、着衣の上からでも、彼女の胸の先端が固くとがっているのが分かってドキッとする。
「……ぁ」
キュッと立ち上がったそこをつまんだら、ふさいだ音芽の口の端から小さく吐息が漏れた。
その声に煽られて、スカートの内側に無意識に指を滑り込ませたら、もうすっかりそこも温かく湿り気を帯びていて。
下着の上から亀裂に沿って指を這わせたら布越し、熱いくらいに俺の指先を濡らす。
それを確かめるように動かした指先が、足の間の終着点にある敏感なところを掠めた瞬間、音芽がキスから逃れて「ひゃ、ぁっ」と小さく身体を跳ねさせた。
耐えきれないように俺にしがみついて「ダメ……っ」とつぶやいてギュッと力が込められた小さな手。
うわ、やべっ。
めちゃくちゃ可愛いっ。
「――音芽。続きは部屋に入ってから、な?」
音芽の耳元にささやくように熱い吐息を吹き込んだら、音芽が身じろぐように首をすくませた。
そういう何気ないひとつひとつの仕草全てが、愛しくてどうしようもない。
正直な話、傘とかささずに土砂降りんなか、2人で走ってマンションまで突っ切りたい衝動に駆られるほどだ。
濡れたらそれを理由に服、脱がせられるしな。
とか普通に考えてしまう自分が怖い。
俺ってこんなに性欲強い男だったっけ?
音芽の味を知るまではそれ程さかっていなかった気がする。
ま、知っちまったもんは仕方ねぇ。
そこはそれ、何も知らない音芽に〝このぐらいの頻度が普通〟だと刷り込めばいい。
音芽の初めての男でよかった、と心底思ってしまったのは本人には秘密だ。
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