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「和音。……えっと、それ……意味、分かって言ってる?」
運命とかそんなの、6歳の女の子が分かってて言ってるとは思えない。
そう思って聞いたら「うん。よく分かんなかったから奏芽に教えてもらったのよ」という返事。
「奏芽……お兄ちゃんに?」
ああ、もう、なんでママに聞かないの!?
とか思ったけれど、後の祭り。
「……お兄ちゃん、何て?」
「この人しかいないって思える相手のことだよって! 合ってる?」
うん、お兄ちゃんにしてはマトモな返しだ。子供――姪っ子相手だし、変なことは言わないでいてくれたのね。
ホッとしながら、
「うん、合ってると思う」
和音の頭を優しく撫でながら言ったら、
「でね、和音、そのとき言ったの。和音の運命の相手は奏芽だと思う!って」
ひゃー。それ本当!?
お兄ちゃん、何て答えたんだろうっ!
ちゃんと傷つけないように自分は違うってうまく伝えてくれたかな!?
ソワソワしながら和音を見つめたら、にっこり笑って言うの。
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