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和音と温和を家に残して、私は自転車で近所のスーパーに買い物に来ていた。
ついうっかり、お砂糖を切らしてしまっていて、大慌てで買いに出たの。
そこで私と同じぐらいの髪の長さをした女の子と歩く、よく目立つ金髪の長身を見つけた私は、思わず立ち止まってしまった。
「お兄……ちゃん?」
だと、思う……。
じゃあ、横にいるおさげの女の子が……前に話してくれた……本気の彼女?
うそ、うそ、うそぉ~~~。
私、心の準備できてないっ。
何の気なしに自分の姿をふと見たら、ひゃー!
私ったらエプロンをつけたままここまで来ちゃってた。
慌ててエプロンを外して買い物カゴに放り込んでから……はたと動きが止まる。
声を掛けていいものか否か――。
戸惑いながら呆然と立ち尽くしていたら、ふとこちらを振り返ったお兄ちゃんに、見つかってしまった。
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