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「かっ、奏芽さんっ! 妹さんにバカなこと言わないでっ」
お兄ちゃんの言葉に、慌てたように凜子さんが顔を真っ赤にしたのがまた新鮮で。
私を見て、お兄ちゃんの妹だと言うことで、何か利用できやしないかと、値踏みするように見てこなかったのも、凜子さんが初めてかもしれない。
もぉ、それだけで私、彼女の好感度、ダダ上がりなんだけど!
自分が彼女のことをしげしげと眺めまわしてしまったのが逆に恥ずかしいくらいです!
「凜子さん、兄のこと、よろしくお願いしますっ!」
凜子さんに頭を下げてそう言ってからすぐ、彼女のそばにすっと近づくと、「口は悪いですけど、根は悪くない人だと思うので」
後半はお兄ちゃんには聞こえないよう、凜子さんにだけ耳元でコソコソと。
だって面と向かってお兄ちゃんを褒めるの、なんか悔しいし。
私の言葉に、凜子さんは驚いたように一瞬固まってから、すぐにふっと力を抜くと、「はい、よく存じてます」と頬を赤く染めるの。
なに、この子。ホント可愛いっ。
こんな子が妹になってくれたら……って考えて、ハッとする。
待って。待って。お兄ちゃんのお相手ってことは、もしもの時は彼女、私の「お姉さん」になるんじゃないっ!?
っていうか、彼女、今何歳なの?
ものすごく若く見えるの、私の気のせい?
ふとそういう諸々が気になってお兄ちゃんを見つめたら、「何だよ?」ってきょとんとされた。
いや、何だよじゃなくてっ!
もぉ、今度、彼女の年齢とか沢山問い詰めてやるんだからね!?
覚悟しときなさいよっ!?
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