スタ特⑥『Eight years later』

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--------------------- episode5『幸せにならなきゃ許さないんだから』 --------------------- 「ねぇママ」  一緒に並んでキッチンに立っていたら、和音(かずね)がふと思い立ったようにつぶやいて。 「なぁに?」  私は買ってきたお砂糖を容器に移して、残りに封をしながら、のほほんと返事をした。 「奏芽(かなめ)って何歳ぐらいまでの女の子だったら好きになってくれると思う?」 「えっ!?」  わわわ。  なんかすごい直球な質問きたっ。  和音(かずね)のストレートすぎる問いかけに、心の準備が出来ていなかった私は、思わず冷蔵庫から缶ビールを取り出しに来た温和(はるまさ)を見遣った。  私の訴えかけるような、助けを求める視線に、温和(はるまさ)がビールを手にしたままきょとんとする。 「そっ、そういうのはママよりパパに聞いた方が分かるんじゃないかな? パパ、奏芽(かなめ)お兄ちゃんと同じ男性だしっ」  転嫁するみたいに矢継ぎ早に言ったら、「それもそっか」と和音(かずね)が納得したようにうなずいた。  ごめんっ。温和(はるまさ)っ。バトンタッチ!  和音(かずね)に見えないように身振り手振りでごめんなさいをしたら、温和(はるまさ)が眉根を寄せて私を見つめ返してきて。  何のことだよ?って思ってるよね、うん。  その気まずさからかな。  私はキッチンに置かれた踏み台の上からピョン!と飛び降りて温和(はるまさ)のほうへ近づいて行く和音(かずね)の後ろを、思わずついて歩いて――。 「――パパ、あのね」  和音(かずね)がさっき私にしたのと同じ質問を温和(はるまさ)に投げかけるのをソワソワしながら眺めたの。
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