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温和、なんて答えるんだろう。
そう思ってじっと彼を見つめたら「あー、それはパパには分かんないなぁ。奏芽本人に直接聴いてみたらいいんじゃね?」とか。
そりゃそうだけど……それでお兄ちゃんが変な答えしたらどうするのぉーっ!?
オロオロと温和を見つめる私に、和音がほぉっとひとつ溜め息を落とした。
「やっぱりそれしかないよね。奏芽の彼女さんね、いま19なんだって! それでも奏芽、彼女とは年が離れてるからって気にしてたのね。19歳の子と年の差があるとか言われたら、私なんてどうすればいいのよ?って感じなのにっ!」
もっと早く生まれたかった、と下唇を噛む和音を横目に見ながら、私はそんなことより和音がさらりと告げた凜子さんの年齢の方に意識が釘付けになってしまった。
「ちょっ、今なんてっ」
思わず和音の前にしゃがみ込んで、両肩を掴んで問いかけたら、和音が瞳を大きく見開いて、「もっと早く生まれたかった」って、そっちじゃなくっ。
「か、和音、ごめんね。そっちも大事なんだけど……奏芽お兄ちゃんの彼女さん、何歳だって……言った?」
私が余りに取り乱したものだから、温和が「音芽……」ってたしなめるように私を立ち上がらせて耳元でささやくの。
「お前も奏芽に直接聞け」
って。
それは……本当にごもっともです。
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