スタ特⑥『Eight years later』

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 温和(はるまさ)、なんて答えるんだろう。  そう思ってじっと彼を見つめたら「あー、それはパパには分かんないなぁ。奏芽(かなめ)本人に直接聴いてみたらいいんじゃね?」とか。  そりゃそうだけど……それでお兄ちゃんが変な答えしたらどうするのぉーっ!?  オロオロと温和(はるまさ)を見つめる私に、和音(かずね)がほぉっとひとつ溜め息を落とした。 「やっぱりそれしかないよね。奏芽(かなめ)の彼女さんね、いま19なんだって! それでも奏芽(かなめ)、彼女とは年が離れてるからって気にしてたのね。19歳の子と年の差があるとか言われたら、私なんてどうすればいいのよ?って感じなのにっ!」  もっと早く生まれたかった、と下唇を噛む和音(かずね)を横目に見ながら、私はそんなことより和音(かずね)がさらりと告げた凜子(りんこ)さんの年齢の方に意識が釘付けになってしまった。 「ちょっ、今なんてっ」  思わず和音(かずね)の前にしゃがみ込んで、両肩を掴んで問いかけたら、和音(かずね)が瞳を大きく見開いて、「もっと早く生まれたかった」って、そっちじゃなくっ。 「か、和音(かずね)、ごめんね。そっちも大事なんだけど……奏芽お兄ちゃんの彼女さん、何歳だって……言った?」  私が余りに取り乱したものだから、温和(はるまさ)が「音芽(おとめ)……」ってたしなめるように私を立ち上がらせて耳元でささやくの。 「お前も奏芽に直接聞け」  って。  それは……本当にごもっともです。
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