スタ特⑥『Eight years later』

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 でも、温和(はるまさ)は何でそんな冷静なのぉーっ!?  そこまで考えて、ふとあることに気づいた私は、温和(はるまさ)に恐る恐る問いかけたの。 「温和(はるまさ)もしかして……」 「あ? 奏芽(かなめ)の彼女の年齢(とし)の話? 前に奏芽から相談受けて知ってた」  って嘘ぉ。  どうやらお兄ちゃん、幼なじみの温和(はるまさ)には、色々打ち明けていたみたい。  もぉ!  なんて水臭いの!!  そう考えてから、でも私、凜子(りんこ)さんの年齢聞いただけでこんなに取り乱してるんだもん。言えるわけないか、って思い至って。  お兄ちゃん、私、その恋、応援してもいいの?  それとも凜子さんのことを思うならやめた方がいいよ?って進言すべき?  決めあぐねて「うーーー」って小さく唸っていたら、私を抱きとめたままの温和(はるまさ)に笑われてしまって。  ややして、 「音芽(おとめ)。お前、もし奏芽(かなめ)に反対されたら、俺とのこと、諦めたのか?」  静かに問いかけられた言葉に、思い切り首を横に振ったの。  諦められるわけ、ない。  例え反対する相手がお兄ちゃんじゃなくて両親だったとしてもっ。 「だろ? だったらどうしたらいいか、分かるよな?」  温和(はるまさ)にそっと頭を撫でられて、私は大切なことを失念しかけていたことに気がついた。  そうだよね、外野が口を出すことじゃないよね。  凜子(りんこ)さんが例え私より10歳以上も年下のお姉さんになるとしても、私はお兄ちゃんを応援しようと思います。  お兄ちゃん、絶対幸せにならなきゃ許さないんだからね!? 分かってる!?           END      (2020/08/14〜2020/09/07)
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