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でも、温和は何でそんな冷静なのぉーっ!?
そこまで考えて、ふとあることに気づいた私は、温和に恐る恐る問いかけたの。
「温和もしかして……」
「あ? 奏芽の彼女の年齢の話? 前に奏芽から相談受けて知ってた」
って嘘ぉ。
どうやらお兄ちゃん、幼なじみの温和には、色々打ち明けていたみたい。
もぉ!
なんて水臭いの!!
そう考えてから、でも私、凜子さんの年齢聞いただけでこんなに取り乱してるんだもん。言えるわけないか、って思い至って。
お兄ちゃん、私、その恋、応援してもいいの?
それとも凜子さんのことを思うならやめた方がいいよ?って進言すべき?
決めあぐねて「うーーー」って小さく唸っていたら、私を抱きとめたままの温和に笑われてしまって。
ややして、
「音芽。お前、もし奏芽に反対されたら、俺とのこと、諦めたのか?」
静かに問いかけられた言葉に、思い切り首を横に振ったの。
諦められるわけ、ない。
例え反対する相手がお兄ちゃんじゃなくて両親だったとしてもっ。
「だろ? だったらどうしたらいいか、分かるよな?」
温和にそっと頭を撫でられて、私は大切なことを失念しかけていたことに気がついた。
そうだよね、外野が口を出すことじゃないよね。
凜子さんが例え私より10歳以上も年下のお姉さんになるとしても、私はお兄ちゃんを応援しようと思います。
お兄ちゃん、絶対幸せにならなきゃ許さないんだからね!? 分かってる!?
END
(2020/08/14〜2020/09/07)
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