■*あなたがお尻に触れる理由/気まぐれ書き下ろし短編

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 きっと音芽(おとめ)は、例え月のものがきている最中だったとしても、温和(はるまさ)が求めれば応じてしまうと思う。  だけど――。  1度やんわりと温和(はるまさ)に「私が生理だからって我慢しなくていいよ?」と言ってみたら、物凄く叱られたのだ。  生理期間中の行為は、色んなリスクが――特に女性側のリスク――が高いのを知らねぇのか、とムスッとされた。 「月のもんが終わるまでの1週間くらい待てる」  温和(はるまさ)憮然(ぶぜん)としてそう言ってくれたのだけれど。  音芽のお尻に触れては、下着に生理用品がセットされているかないかを確認する温和(はるまさ)を見ていると、音芽はどうしても笑ってしまいそうになる。  「1週間できないどうってことない」と言ったのと同じ口で、「1週間待たされた」と言い切る温和(はるまさ)が、愛しくてたまらないのだ。  生理の終わりをいち早く知ろうと、終わりが近付く数日前からお尻を撫で回す温和(はるまさ)も、終わったと知るや否や、性急に自分を求めてくれる温和(はるまさ)も。  彼の全てが堪らなく愛おしい。
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