■*ふたりならきっと平気/気まぐれ書き下ろし短編

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「こんな所で、……ダメっ」  窓辺なことを気にしているんだろう。  音芽(おとめ)が着ている前開きの小花柄ワンピースのボタンを2段目、3段目と2ヶ所だけ外して隙間から手を差し入れれば、音芽の小さな手が俺の腕をギュッと掴んで、静止を試みてくる。  ふと見た音芽の顔が、恥ずかしさでほんのり赤く染まってんの、最高だろ。  ――今日もお前の(あお)りは絶好調だな。  当然本人にそのつもりがないのは百も承知だが、無意識に煽ってくるこいつが悪い。 「なに? こんな所じゃなきゃいいわけ?」  意地悪くクスッと笑いまじりに問えば、音芽がぷぅっと頬を膨らませた。 「温和(はるまさ)の、意地悪っ」  言って俺を睨みあげてくるの、可愛すぎだから。 「意地悪な俺は嫌いか?」  嫌いと言えないのを知っていて、ブラ越しに胸の突起を指先で弾くようにこすれば、音芽がビクッと身体を跳ねさせてギュッと目を閉じる。 「なあ音芽。答えろよ」  言って、羞恥心(しゅうちしん)のためか、真っ赤になった音芽の耳朶を軽く()めば、音芽が小さな声で「き……、らぃじゃ、ないっ」ってつぶやいて。 「ん? よく聞こえねぇんだけど?」  嫌いじゃないって声、途切れ途切れだが、本当はちゃんと聞こえてきたさ。けど、そこはもっとはっきり言わせてぇだろ? 「お。フロントホックなんて好都合だな」  言いながら、音芽のふわふわの谷間を繋ぐホックを指先でプチンと弾けさせて、ゆるりとフリーになった柔らかなふくらみにじかに触れる。
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