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嗅ぎ慣れない香水？の香りが漂ってきて……そっちの方が鼻についてしまう気がする。
（これ、鶴見先生のにおいだ）
そう思い至って、さっき無理矢理抱きすくめられたのを思い出した私は、ゾクリと肩を震わせた。
週末のパンケーキデートは……やめておいた方がいい気がする。
でも、どうやって断ろう……？
ベッドに座って一人悶々と思い悩んでいたら、風呂場から戻ってきた温和が私を見下ろしてきた。
不意に影がさしたことに気がついて、すぐ横に立つ温和を見上げたら、「なに、考えてた？」と聞かれて。
私はドキッとして思わずうつむいた。
「こっち向け音芽。――今、なにを、考えてた？」
顎をすくい上げられて、温和の方を見るように強要される。
「な、なにもっ」
視線だけでも、と目を逸らせると、苛立ったように舌打ちされて。
「お前さ、何でそんなに俺を苛つかせるのが上手いわけ？」
そんなの知らないしっ。
っていうか……！
イライラモヤモヤさせられてるのは私も、なんだけど？
ふと放課後の逢地先生と温和のあれこれを思い出した私は、キッと温和を睨み返した。
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