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一回目の時とは違って、今回のキスは長くて濃厚で。
「んっ、はぁっ」
胸を見られても色気なんてないと明言されたばかりなのに、もしかしたら温和が私のことを女の子として見てくれているのかもしれない、と勘違いしてしまうほどに執拗だった。
温和の舌が、私のそれを絡め取るように擦るのがクラクラするほどエッチで……心地良くて……。
私はキスがこんなにも気持ちいいものなんだ、と初めて思い知らされた。
キスなんて、昨日温和に意地悪でされるまで誰ともしたことなくて……唇と唇が触れ合うだけの行為でしょ?とか馬鹿にしていてごめんなさい。し、舌入れるとか……その舌がこんな風に動かされるとか……知識として知っているのと、実際に経験するのとではこんなに差があるなんて、思わなかった……!
大好きな人とのそれは、全身が熱く火照るほど淫猥で、身体から根こそぎ力を奪っていくなんて、知らなかったよ。
気がつけば、温和は私の腕から手を離していて。
片手で私の顎を捉えてキスから逃れられないようにしながら、もう一方の手は胸をやんわりと包み込んでいる。
私はキスひとつでこんなに感じてしまう自分が不安でたまらなくて、縁を求めるように胸に伸びた温和の腕を掴んだ。
「ん、温和……やめ……っ」
自分がおかしくなってしまうみたいで、すごく怖くて、キスの合間を見計らって一生懸命訴えたけれど、聞き届けてもらえない。
お仕置き……だから?
私が困れば困るほど、温和にとっては意味を成すってことなの?
ゾクゾクとした快感に翻弄されながら、私は必死に温和を押し戻そうと試みる。
なのに――。
まるでそれを嘲笑うかのように、胸の先端を温和の指先が引っ掻いてきて、途端、恥ずかしいぐらい身体がビクッと跳ねた。その反応に、自分でも何が何だか分からなくて困惑する。
「あ、っん……は、るま、さっ、それ、イヤっ。おかしくなっちゃっ……」
ギュッと温和にしがみつくようにして訴えたら、「……おかしく、なれよ」って耳朶に熱い吐息を吹き込むように言われて。
「音芽っ、お前、俺に何を隠してる?」
それを言うまでやめてやらない、と言われている気がした。
でも、隠し事をしているのは――温和も一緒だよ。
放課後、逢地先生と、何を……していたの?
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