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「キャッ」
音芽がキッチンに立って洗い物をしていたら、温和がすぐ背後に立ってシフォン素材のスカート越し、音芽のお尻を間に沿って撫でてきた。
月に1度、温和にはこんな風にやたらめったら音芽の臀部に触れる時期がある。
いつもは首筋に口付けた後、背後から押し上げるように胸の膨らみに伸ばされる手が、その時期だけはとにかく初っ端からお尻のみを目指すのだ。
「もぉっ。お皿、落っことしちゃうじゃないっ」
音芽が振り返りざま、眉根を寄せて背後の温和を睨むと、温和が面白くなさそうにつぶやいた。
「チッ、まだかよ」
と。
音芽にだって、温和のその言葉が何を意味しているのかは分かっている。
でもこればっかりは自分ではどうしようもないから、「ごめんね、もうちょっと待って」と応えることしか出来ない。
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