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「職場で明らかに変だったじゃないですか!  下谷さん、いつもきちんとしているのに、壊れた眼鏡そのままだし。 ぼんやりしてて、話しかけても気づかなかったり。 いつもはそういうことないじゃないですか。 そりゃあ仕事のミスはなかったですけど、いつもあるきちんと感がなかったですよ」 「え!」 そんなの気づくんだ! っていうかそんなふうにみられているなんて思ってもみなかった。 「みんな言ってましたよ。あんなにくたびれた感じの下谷さん初めて見たって」 「ええー? 嘘!」 ちょっと、待って。 みんなそんなの見てるの? だって、私のことなんてどうでもいいって、ノリが悪い、怖いっていつも……。  驚きのあまり目を剥いて田山さんを凝視する私を見て、田山さんが気まずげに口を尖らせた。 「確かにー、前は下谷さんのことみんなロボットみたいで怖いって言ってましたけど! 最近雰囲気緩んできたねって!」 「ロ、ロボット?」 そこまで? そんなふうに言われていたのか……。 ノリが悪いとかじゃなくて、ロボット。人外扱いだったんだ。うすうすわかってはいたけれど、こうもはっきり言われるとショックだ。
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