文化祭

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「すごいカラフルだね! 手芸部って地味なイメージだったけど、結構派手なんだね」  文化祭当日、展示を見に来てくれた女の子が言ってくれた。明るい色の茶髪の元気そうな子だ。 「ありがとう」 「わたし、実は手芸部員なんだ。部活なんて興味なかったから、適当に入部届け出して、一回も来なかったけど、手芸部面白そう」 「そうだったの! いつでもいいから部活に来てね」 「うん!」  早くも手芸部に新たな動きが起きていた。  それなのに、火野くんの姿が見えない。  展示の時間になったら、部室にすぐに来るって言っていたのに。  その時部室の扉が開いて、学ランを着たバケモノが入ってきた。肌が緑色で、髪が紫色で、頭に角が生えていて、背中に六枚のコウモリのような翼があった。 「ギャー!!」 「部長、落ち着いて。俺です」 「火野くん!?」  声でなんとか火野くんだと確認できた。 「文化祭は多少派手なカッコしていいって聞いたんで」 「いや、派手すぎるよ!」      おわり
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