繋げる

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 つぶやいたのは写真部のパネルを動かしていたうちの二人だった。二人とも女子で、若干見た目が派手だ。部長さんは別の部員と話していて気がついていない。 「おい、今なんつった」  火野くんがすぐに立ち上がり、二人に食ってかかった。 「いや別になにも」  写真部員の二人はしらばっくれた。聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言っていたから、言っていないことにして押し通すつもりだろう。でもたしかに私も聞いた。 「勝手に領土侵犯しておいて何様だ」 「はは、領土侵犯って」  火野くんの独特な言い回しに写真部員の二人が吹き出した。少し嘲っている感じだ。 「だいたい、普段の活動場所も手芸部は教室前半分のはずなのに、毎度ミーティングの度に教室ほとんど使いやがって」  実は、そうなのだ。写真部は普段は撮影にでていて、部室への部員の出入りはそう多くないが、時々行われるミーティングのときは手芸部のスペースを圧迫していた。手芸部は私の火野くん二人なので、活動に支障は出ていないから何も言わずにいたけど、火野くんは不満だったようだ。 「こっちは人数多いんだからしょうがないじゃん」 「机詰めればどうにかなるだろ」 「火野くん、落ち着いて」  私が割って入った。火野くんを廊下に連れ出して宥めることにした。
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