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スマートフォンのアラームが鳴る。
アイマスクを取り、スマートフォンへ手を伸ばそうとすると、誰かがぶつぶつ言いながら私のスマートフォンのアラームを切った。
5分後、再びスマートフォンのアラームが鳴った。
再び手を伸ばし、私がスマートフォンを掴もうとしたその時であった。
「あー、うるさい!」
誰かが苛立たしげに言葉を発しながら、私のスマートフォンのアラームを消した。
「アンタ、日曜もこんな早い時間に起きてんの?」
声の主は、呆れた口調でこう言う。
目を開けると、福ちゃんが腫れぼったい目をこすりながら、立っていた。
──そうだ、福ちゃんの家に泊まってたんだ。
寝ぼけた思考状態で、私は今現在の自分の状態を思い返すと、寝グセのついた頭をかき上げる。
「まだ、九時だよ?
休みの日くらい、ゆっくり寝ようよ」
「旦那の朝ごはん、いつも起きて作ってたから……」
「なるほどね」
福ちゃんは言うと、口を大きく開けあくびをする。
美人で名の通っている福ちゃんのその様は、ウチの男性社員が見たら、きっと幻滅する事だろう。
「ゴメンね。
でも、友達とかみんな結婚なり同棲なりしてるから、福ちゃんくらいしか頼る人いなくて……」
私は言うと、ソファーから起き上がる。
「悪気は一切無いとはいえ、そういう事をサラッと言われると胸が痛くなるな」
福ちゃんは苦笑すると、床に投げ捨てられたタウンガイド誌を足ではねのけ、冷蔵庫を開ける。
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