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冷蔵庫から麦茶を取り出しグラスに注ぐと、福ちゃんはそれを風呂上がりの牛乳みたく一気飲みした。 「西原っちも、麦茶飲む?」 私が頷くと、福ちゃんは新しいグラスに麦茶を注ぎ、それを私に手渡してくれた。 「ありがと」 麦茶を一口飲み、私は寝起きによってすっかりと渇いてしまった喉を潤す。 「今日、会社休みだけど、いつもこんな時間から起きてるんだ?」 福ちゃんは、再び同じ質問を私にしてくる。 「直人、起きるの早かったからね……」 私が答えるのと同時に、スマートフォンのアラームが鳴る。 「止めなよ。 ココには、その直人クンがいないんだしさ」 福ちゃんの言葉に私は頷くと、スマートフォンを手に持ち、アラーム機能を消した。 「ってか、昨日はビックリしたよ」 空いたグラスをシンクに持っていくと、福ちゃんは私に目を向け、切り出す。 「昼寝してたら、電話で『福ちゃん、2、3日でいいから泊めて……』なんて、泣きながら言ってくるんだからさ」 「ゴメン。 福ちゃんに電話したら直人との事を思い出しちゃって、また泣いちゃったんだ」 「……で、結局旦那クン。浮気してた訳? アタシ、まだハッキリとしたその辺りの事情を訊いてないけど?」 戻ってきた福ちゃんは、ソファーへと腰掛ける。 「限りなく、クロに近い状況だね……。 往生際が悪いのか、俺を信じてくれ、なんてバカげた事を言ってたけど」 「だから、言ったじゃん」 福ちゃんはケラケラと笑うと、続けた。
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