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「ゴメン、やっぱ想像できないわ。
だって、そんな事考えられないモン」
しかし、明確な答えが出なかったらしく、直人は照れくさそうに笑うのみであった。
「……なんで、そんな自信満々でいられるの？」
私は、重ねて直人に尋ねる。
どんな形でもいいから、直人なりの答えを私は欲していたのだ。
「なんで、か……」
直人は再び照れくさそうに笑った。
私は私で、直人の言葉を聞き漏らさぬよう、意識を耳に集中させる。
「だって……」
言いづらいのか、ウホン、と咳払いを一つすると、直人は一息に言った。
「だって、俺も雪絵もお互いの事を愛しているだろ？」
思いもよらない、一言だった。
そして、直人に改めて言われた事で、私はようやくその事に気付いた。
──直人の事を、愛している。
私にとってかけがえのない、その事実を。
どうして私は、今までその事を見失っていたのだろう？
恒久的とも思える、終わりの見えない幸せな日々が、私にその事を忘れさせてしまったのか。
涙が出てきた。
嬉しさ、からではない。
直人に言われるまで、自分のその気持ちに気付かなかった自分の情けなさに、私は思わず涙を流したのだ。
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