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「ハッ!」 私は横にしていた体を上半身だけ勢い良く起こして、辺りを見回した。 「夢…」 いつもと変わらない部屋の景色を見て、夢だと気付いた。 「お目覚めのようだな…」 寝ていたベッドの近くに仮面をかぶった者が立っていた。 「バラス…」 「フッ…悪夢でも見たか?うなされていたが…?」 「いつからここに?」 「さてね…」 バラスはククッと笑い、手に持っていたタオルを投げてよしたた。 「私をいつまで軟禁する気?」 「我の目的を…いゃ…近々出ることになるかもな…」 「かもって?」 「気にするな…それより行くぞ!」 「何処に?」 「風呂だ…汗がひどい…」 「あら、優しいのね?」 「フン…いちいち嫌みな女だな…」 「お互い様でしょ?」 私は立ち上がり、バラスの後に付いていく…今の私は力を変な腕輪で封じられているので、ここから逃げることが出来ない。 「前から気になってたんだけど…あんた、男?女?」 「さてね…お前の一族は、勘が鋭いから分かるだろ?」 「女?」 「さてね…おっと…着いたぞ!」 風呂と言っても、私が軟禁されている屋敷?の風呂場は無駄に大きい…脱衣場で服を脱ぐ。 「見ないでよ…」 「フン…女に興味はない…つべこべ言わずに入れ!」 「冗談も通じないとはね…」 「フン…」
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