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「フフッ…ごめんなさい!私はレシェル・ランフォート!この教会で神官をさせてもらってる者よ!」
笑いの余韻を残しつつ彼女は名乗る。
「俺はライア・シルフィード」
「私はリエナ・エリシス…竜守りです」
「ワシはクロエ・クロノスじゃ!」
クロエはそっぽ向いて名乗る…腹抱えて笑う位だから不機嫌になっても仕方ない…
「それより、レシェルに聞きたいことがある」
「何?」
「黒帝と戦うことになった理由だ」
「覚えてるわよ?」
彼女は微笑んで教会の祭壇前に並べられているベンチに腰かけて、俺達にも座るように促した。
「何処から話したら良いかしら…」
呟いて、教会の天井を見つめた。
数百年前ー
とある地…
「奴の行動がおかしい…」
私は近くに居たヴォルグに声をかけた。
「奴?バラスの事か?」
「えぇ…」
最近、バラスの様子がおかしい…口数が減り、気配も邪悪なものになりつつあった。
「気のせい…では?」
私とヴォルグの会話にブレイズ(炎帝)が割って入る。
今は月に一度の集会みたいな事をやっている…もちろんバラスを抜いた五竜に声をかけて集まってもらった。
「光と闇は表裏一体…彼の邪悪な気配は嫌でも分かる」
私は皆を見ながらため息を付く。
「彼の行動を見守りながら見極めるしかないわ」
「ファナス…お主がそう言うなら拒みはせん…ワシもあやつを注意してみておこう」
「すまない…ナイア…他の者にもお願いしたい」
頭を下げた私にドゥーム(地帝)、リュート(氷帝)、ブレイズ、ヴォルグが賛同した。
そして、この場はお開きとなった。
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